高校サッカーで優勝に導き、JリーグでもJ2優勝を果たされた黒田監督による本です。
アマの監督で成功しても、プロの監督で成功するというのはプロ野球でも前例がなく、それはプロの選手は現役時代実績を出していないと言うことを聞かないからだ、みたいな解釈をぼくはしていました。
世界的にはサッカーのモウリーニョ監督が出していたとはいえ、そうした前例を覆すことを日本で実現された方です。
本書の内容も簡潔かつ明確に書かれています。
やはり、思考が整理されている、考えられていると読んでいて感じます。
シーズンを第6タームに分けて、どのタームでは勝ち点をどれくらいとっていけば勝ち点90となり優勝できるかといった細分化までされています。
ぼくだったら、そんなの立てても都合よく行かないでしょ、やろうとも思わないでしょう。
- ベストな人選したからといって勝てる保証はない。自分の勘を信じるしかない。
- 頂点に辿り着くために必要なのは「思考」と「実践」そして「習慣」
- プロなのに高校生より基本的なプレーで劣っていることがあった。これは自動車免許取ったばかりでルールにきちんとしているのが、慣れてくると疎かになって大きな事故につながるようにディフェンスの崩壊につながる。
- 結果を出せない指導者には、共通点がある。人の話を聞かない、自分本位、頭でっかち、人を大切にしない、成功は自分のおかげ、失敗は他人のせい、一人よがりな立ち振る舞いで何より自分のことが大好き。最悪の状況に気づかない。
- 伝え方のポイント。それは、どの言葉を使うか、どのタイミングで話すか。
- どの言葉を使うか、一口で言うなら簡単ですが、黒田監督はオーナーの藤田社長の元、講演するのに言葉集めに1週間かかったそうです。試合前のスライド2枚に対してもそれだけの労力を割いて言葉を集めているのです。同じ言葉を繰り返しても辛いだけ。どういった言葉をかけて欲しいのかを考えて言葉を選んでいるのです。
あとは藤田社長と黒田監督の対談。藤田社長の黒田監督の日本代表候補に名前が挙がって欲しいという言葉。自分のチームの監督が引き抜かれるなんて考えたくないとぼくだったら思ってしまいますが、そう閉鎖的にならないことがJリーグに必要なことなのでしょうか。突き抜けて欲しいですね。