京都の名店の方々が、テーマ食材を決めて、料理を出し、互いに意見を出しあって研鑽するという本になっています。
どの料理もぼくみたいな素人には到底作れない料理ですし、今後も、このレベルの料理を作ることはないでしょう。
特に中村拓児さんの料理は、柚子の皮だけ三日干して器にしたとか、タコをうどんみたいに切ったとか、他のメンバーも自分だったらやらんわというほどの料理になっています。
みなさん、京都で和食だから、似たような作るんじゃない? と思ってしまいますが、読んでいると、人によって、この人はこういう料理を作るんだなという個性があるのがわかってきます。
菊乃井の村田さんが料理も出しますが、ファシリテーターで、年長者で、この方が時には手厳しいことも言い、褒めもし、冗談も言いつつ話を進めていく形になっています。
プロなんだから、美味しいものは作れる。
彼らが考えているのはその先。原価はどうとか、これでお金の取れる料理なのか、とか。
これはこの食材だからこその料理なのか、他の白身魚でも代用できるのではないか。
要素が多すぎる。コースに入れるとしたら、どこで入れるの、みたいな。そういった一流の考え方を知ることのできる本です。