Amazonのポテンシャルの高さをつくづく突きつけられる本でした。
GAFAの中で、AmazonというとiPhoneのAppleや、いかにもテックテックしたテック企業のFacebookやGoogleと比べると、あまりイメージとして尖った物がないイメージです。
程度ですが、読めば読むほど、全てがAmazonに飲まれていくのではないかというほどのスケールを感じさせられます。
筆者はAmazonを何度かローマ帝国と称していますが、確かにそうでしょう。
ローマ帝国は滅亡しました。滅亡した説はいくつか言われております(個人的にはパンとサーカスで堕落したという解釈だった)が、はっきりしません。
Amazonは滅亡しないのではないかという程の勢いです。ジェフ・ベゾスは企業は持って30年くらいだと言ってます。
Amazonが衰退したら人は理由をいくらでも並べられますが、全盛期の今に衰退する理由を挙げられる人はなかなかいないのではないでしょうか。
楽天とAmazon
楽天とAmazon、日本だと同じ通販サイトだが、根本的にターゲットが違う。
楽天は出店企業から利用料を取っている。Amazonは消費者に物を売って儲けている。
楽天は出店企業から利用料を取り、在庫を抱える必要もない。そのため、展開スピードは早い。
Amazonは逆に物流センターを構えるなどしないとならないので、時間がかかる。
ただし、楽天は大量に仕入れて安く売るようなことが出来ない。送料無料のようなことも簡単に出来ない。
Amazonは自分で倉庫を抱えて売るので安く売ることも出来るし、送料無料も出来る。
楽天も物流センターを増やそうとしているが苦戦している。
ジェフ・ベゾスは、あるとき、Amazonはロジスティック企業と称している。ロジスティックは兵站である。
CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)
物を売ってから、お金が入るまでのサイクル。
これが短いほど、資金繰りに苦労しない。
ウォールマートは12日。
Amazonはこれがマイナスである。
Amazonは秘密主義であるため、詳細は不明だが、マーケットプレイスによるのではないかと言われている。
マーケットプレイスの売り上げは一部はAmazonに入るが、ほとんどは顧客に入る。
Amazonに入るのは10%程度ではないかと言われているが、一度は売り上げの全てがAmazonに入る。
手数料を差し引いた分を出店者に支払うまではAmazonが自由にお金を使うことができる。
これにより、キャッシュフロー経営を実現している。
Amazonは利益を出して配当を株主に払うようなことをせず、使えるお金を次の事業に投資してさらなる成長を目指している。
事業のシナジー
小売事業でサーバーインフラを構築。余ったリソースを他社の流通に提供。
これがうまく行ったので、Amazon Web Service、クラウド事業につながった。
作りすぎが、功を奏した結果となっている。
Amazonがあまりに強すぎる結果、小売業からはAWSの利用は敬遠されている。
その形で成長は止まり、Azureが勢いづいている。
AWSだけではなく、 FBA(フィルメント・バイ・アマゾン)というサービスもある。
これはAmazonの倉庫に商品を預ければ出荷・発注・配送まで行ってくれる。
Amazonの中で確立された仕組みを外に提供することでさらなる勢力を伸ばしている。
以前の会社でも事業のシナジーを生み出そうと言われるのですが、これがなかなか出来そうで出来ないです。
結局、本業に集中しようという結論に帰っていきます。
ベースとなるビジネスが小売業という商売の中の商売ということもあるのですが、失敗を恐れず、ひたすら投資をしまくる、そして外に展開するというビジネスのサイクルが上手く行ってるなと思います。
強いプラットフォーマー
強いプラットフォーマーは市場を握ることで、業界のルールを決めることができる。
ピッキングにKIVAというルンバのようなロボットを使うことで人が発送する物をカートに入れて押す必要がない。
KIVAを買収した後、他の利用している企業には更新をさせず、独占してしまった。
日本の出版業界では出版社からではなく、卸しである取次業者から書店は仕入れるしきたりがある。
しかし、Amazonは取次業者からではなく、出版社から仕入れる。
書店との利益率が全然違う。
書店は万引きが多いと潰れる。ECサイトに万引きはない。考えてみれば当たり前だが、当たり前大事なこともある。