本はよく読んでますが、久しぶりに小説を読みましたね。
冒頭は、女性人物の名前を覚えるのに苦労しましたが、本筋はバーゼルの蒐集家の下でルソーの講評をする話にあります。
夢を見たという作品の真贋とその講評が的確だったものに、絵の所有権を渡すということで7日間にわたって、早川織絵とティム・ブラウンが競います。
7日間、1日ずつ絵に関する記述を読んでいくなかで、織絵とティムの裏側で動く人間たち、そしてルソーの絵の真贋はいかにといった話です。
ルソーの絵って、確かにパッと見、うまいとはいえないんですよね。
ただ、その絵から出てくる温かみやタッチは他の画家にないオリジナリティを感じます。
実際に真面目な人で、モデルを前にしないと絵を描けなかったそうです。
そうしたルソーの人柄・絵の素晴らしさを伝えるストーリーでもあるのがいいなと思いました。