この本を知るきっかけは、以下の記事でした。
Windowsもまだ出ぬ時代、ビル・ゲイツと仕事をした日本人がいたというのです。
早速図書館で借りることにしてみました。
マイクロソフトとアスキーに身を置き、理想のコンピューターを世に送り出すために、多忙な毎日を送る日々が描かれています。
始まりは、高校時代に、コンピューターに関するイベントに、学校を休んで、親には遅く帰ると言って神戸から東京まで行ったのです。
へー、自分にはない、圧倒的な行動力だなあと感心してしまいました。
それを支えるのが、コンピューターに感じた未来でしょう。
筆者は、お金が大事だが、「金」のことばかりで「感動」がないプロジェクトは成功しないと述べてますが、そうでしょう。
良いコンピューターを安く作るには、半導体事業が重要だと乗り込むも、ソフトウェアに絞ったマイクロソフトでは反対され、結局はビル・ゲイツにマイクロソフトを追い出されてしまいます。
アスキーでも半導体事業への投資をやめず、一緒に創業した仲間に解任を突きつけられる。解任は逃れるものの、会社の経営が傾く。
なんとか融資をこぎつけるも、それでも会社は大赤字となり、ヒラの取締役に。
反省記なんてタイトルで書かせるものだから、彼の人生は失敗かというと、それはないでしょう、と。それは本人が決めることでしょうし。
感情の起伏が激しい筆者ですが、一喜一憂せず、やるべきことを淡々とやるしかないし、それが最善の対応策と述べてます。
ジョブズとゲイツ
最初、マウスはゼロックスのSTARはボタンが3つ、アップルのLISAは1つ。
Appleの真似はしたくないからゲイツはボタンを2つにしたんだろう、と。
それが今の左クリック、右クリックになったと。
筆者はジョブズからもスカウトを受けたことがあるが、当時の仕事が楽しかったし、変わった人という印象で、常識的なビルの方がいいパートナーと判断したらしい。
1万人の人と一緒に仕事をする
松下幸之助の側近の人から聞いた話。
二人で仕事をするときは、何も言わんでも阿吽で仕事できる。10人だったらああせい、こうせいと命令できる。
100人だったら教えるような気持ちで仕事しないとならない。1000人の人と一緒に仕事するときは、「君ら頼むわ」「一つよろしくお願いします」という気持ちでないと仕事ができない。
1万人の人と一緒に仕事するときは、諸君らの幸運を祈ると祈るような気持ちでいないと1万人の人は動いてくれない
というような話を聞いたとき、筆者は経営の深淵を覗かせていただいたと思ったそうです。
立場によって進め方は違うんですねえ。