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読書感想「デス・ゾーン」

デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社学芸単行本)

登山家・栗城史多(くりきのぶかず)氏の生い立ちから滑落死についての本です。

筆者は栗城史多に対して、なるべく客観的に描こうとしているのか、むしろ批判的な面も描かれています。

この本を読んだ感想としては、登山家というより政治家だなあ、と。

大物政治家との関係もあったり、マルチ商法の組織の講演に出たり。単独無酸素を掲げ、サインには無酸素と書くも、実際にはシェルパや撮影隊など多くの人数で登山しているところとか。

登山には厳密なルールがないためにそうした「単独無酸素」がまかり通ってしまう。

登山の様子を映像として流すからクラウドファンディング

金集めが上手く、また、登山を通して、人の注目を集めることができた、と。

彼が、それだけの注目をされた人物であることは、栗城氏をよく知らない私が彼についての本を読んでいるのが、その事実です。

それだけ登山はお金がかかることでもあり、また本には栗城氏の登山技術についてほとんど書いていないのもあるのですが、そのイメージだけが残りました。

今の政治もそうですが、政治家の実務より、メディアが面白おかしく報道することばかりに注目が行ってしまうのと同じだよなあと思ってしまいましたね。

後味悪いです。