面白いんですが、漫画で描かれるのは登山の危うさが多いです。そうしないと物語として読んでもらえないからでしょう。
なので、ふと思うのは
この人、なんで山を登るんだ?
と。
その答えがこの本でわかりました。
危険だがスリルやワクワクがあり、見たことのない景色に出会い、発見や驚きがあると。
この本は、プロ登山家である竹内氏が、つらつらと様々なことを書いています。
へー、そんな考え方があるんだと思いましたね。軽く読めるので、竹内氏の本の中でもお勧めです。
登山家の考え方が垣間見える本です。
- 平坦な都会でも、自動車が突っ込んでくるかもしれない。安全なところほど危うい。
- 8000m級の頂上に行っても息苦しいので、すぐ降りたいと思っている。
- 高度によって全く天気は違う
- 近くで事故があれば、誰もが自分の登山を中止して、救助に出かける
- 日本には8000m級の高さに高度順応に使える山はないので、日本にいるときはどうやって楽しく登るか考え、必要な道具を買うことをしている。
全体的にフラットな考え方の人だと感じましたね。
都会より山にいた方がずっといいよみたいな考え方ではなく、日本には日本の良さ、カトマンズにはカトマンズの良さがある、と。
なんとかモンみたいに、俺の考え方はこうだ、お前ら間違っている!みたいなのとは対極に感じましたね。
そんな飄々さが実に心地よくて、読みやすい本です。