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「Measure What Matters」を通して、目標管理という制度について考える

今の会社では期ごとに目標を立てて、1年後にそのフィードバックを行う目標管理をしています。

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最近、話題のOKRについて知るべく、下記の本を読んでみました。

www.nikkeibook.com

OKRとMBO

Object(目標)に対して、主要な結果(KeyResult)を列挙し、それに向かって業務をこなすというものです。

KeyResultについてポイントは測定可能なものとして、0.0〜1.0で達成度を評価するというものです。

これに対して、MBOが存在します。

どちらも目標を立てて、あとでフィードバックする人事制度とは言えますが、MBOとOKRの違いとしては、

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  • MBOの目的は報酬、OKRは生産性の向上
  • MBOは自分と上司、OKRは企業とチーム

です。

目標は注意深く立てる必要がある

書籍で語られるのはフォードのピントという車です。

軽い車を作るという目標を立て、重さという明確な結果を立てていたのですが、その重さを遵守するあまり安全性を無視してしまい、結果、死亡事故を招く悲惨な結末となったということです。

現実について、書籍を読んで比較して振り返ってみる

現実についての問題点としては、

振り返ると、立てた目標に対する達成感はなく、気づいたら別のことをしていたということです。

2年続けてそうでしたし、隣にいる人もそうでしたし、それどころか別部署の人に聞いてもそうでした。

隣にいる人もそうでしたし、それどころか、別部署の人に聞いてもそうでした。

これはどういうことなのでしょう。

書籍を読んでいて気づいたのは以下の点なのかなと思いました。

  • 目標と報酬が直結するために挑戦しない結果
  • (ブレイクダウンされる)目標そのものが間違っている
  • そもそも目標を達成する気がない

目標と報酬が直結されるために挑戦しない達成度にしている

今の会社で行なっている目標管理はMBOです。とはいえ、この目標管理だけがボーナスには直結する訳ではないとはなっています。

それでも、追及を避けるべく、日本人がしがちな曖昧な書き方をして、何を逃れているというものです。

OKRが報酬に直結しないのはこの点です。

挑戦しないで満たした結果と、挑戦して満たせなかった結果のどちらを評価するか、達成度だけで測ってしまえば前者が優れていることになり挑戦しなくなります。

目標には二種類あるとされます。

  • 野心的な目標。4割しか成功しない目標。
  • コミットする目標。絶対成功する目標。

このバランスをどうするか企業文化になります。

ただ、目標と報酬が直結してしまうと限界に挑戦しなくなるため、OKRでは切り離しています。

OKRを導入しているGoogleのような企業では10%上がっただけでは、他の企業とやっていることは同じ、10倍の生産性を上げたいと考えています。

そもそも目標を達成する気がない

OKRは社員のモチベーションを上げ、離職率を下げる働きがあります。

そのため、OKRの面談ではまず下記のことを聞くようです。

  • 何をしてる時が楽しい
  • 何をしているとエネルギーを消耗する
  • 君の理想の仕事を説明してくれ

上から目標がブレイクダウンされたところで、どうしてそういう目標がおりてきているというストーリーがわからなければ、部下としては、それに沿った、それっぽい達成度を無理矢理捻り出して、承認を得ようとするというものです。

正直、今の会社で困るのが、5つ書けという制約です。2,3つならばともかく、5つも考えるのは大変ですし、5つも全て達成しようと行動し続けるのは無理があります。

OKRでも一つの目標に対して主要な目的は3つです。今の目標管理に合わせて行動するのは限界があるので、5つ挙げたうちの2つ3つに絞って行動せざるを得ない気がします。

目標そのものが間違っている

OKRでは、素直にその目標そのものが間違っていることがあると認めています。

経営陣も人間なので、目標が間違っていたということはあり得るでしょう。

OKRも万能ではない

と、現在の目標管理制度についての不満を書いてみましたが、本書においてOKRは万能ではなく、銀の弾丸ではないことがわかります。

成功したスタートアップのOKRの導入事例がいくつか述べられるのが本書ですが、OKRを導入したはいいが、うまく運用されなかったエピソードも登場します。

OKRを正しく運用されるために、まず優れた人事の人間に入れ替えるOKRを立てたという話も登場します。

ただし、目標がなければ漫然と仕事をしてしまうのも事実で、目標は正しく運用されるべきだというのは事実だと思います。