良本でした。
自分の知りたいことが分かりやすく書いてありました。
「SNS」「グローバル採用」「非転職希望者へのアプローチ(待つ採用から取る採用)」と今の採用が変わっていても、一番重要な採用プロセスは「面接」であることには変わりない。
その面接の技術をどうすべきかと本題に切り込んでいきます。
まず、どんな人材が欲しいのかを明確にするのが採用成功の条件
- 自社の特徴を客観的に知り、他社と何が違うのかを理解することが重要
以下は、自分の経験としての話ですが
- これ、当たり前のようで、実はなかなかできないんですよね。
- いざ、面接開始すると、こういう人が欲しいというのが採用担当の中でバラバラで、評価が分かれたりする。
- ただ、現実問題、こういう人は市場にいるのだろうか、と探しながら採用をすることもあります。他にない新規事業系だと、やったことないことをやってもらうため。
面接の目的
- 入社後、ビジネスに貢献してくれそううな人材を見抜く
- 応募者にファンになってもらう
- 応募者の転職活動の状況を知る
- 他社の情報を入手する
ビジネスに貢献してくれる、ビジネス、エンジニアを採用するとしても大事なことだと思ってます。
自分が最初、エンジニア採用に関わることになったとき、やはりスキルばかり目がいってました。
エンジニアである自分もスキルを求めていたものです。
だが、チームを見ていて、受け入れをしていくうちに、スキルであることよりもマネジメントだったり、ヒューマンスキルだったりも重要、欠いてはならない要素であることに気づきました。
ヒューマンスキルとかそっちのけで、本当に頭抜けたスキルで違いを見せて高い評価を得ているエンジニアもいます。が、本当にごく一握りです。
そんな人がたくさんいるわけもなく、そういう人だらけでもチーム力が上がるわけでもありません。
というわけで、今の自分は、エンジニアとしてのスキルを用いて、組織の課題を解決できる人なのかを見るようにしています。
応募者にファンになってもらう、自社に興味を持ってもらいつつ、相手を見極めなければならないので、やや相反することをやっていかなければならないのが現代の面接の難しいところとは感じます。
他社の情報を入手するも意識的にやっていたのですが、もう少し意識的にできればなあとは思っている点ですね。
応募者の転職状況については、自分の場合は、人事に任せています。
面接は最強の接点
- どんなにホームページを読んでいても、投稿サイトから情報を得ても、実際に社員に会って聞く内容や印象が一番強い影響を与える
- 面接担当者は間違いなく会社の代表。ホームページより、はるかに強い印象を応募者に残す。
応募書類の「上手・下手」は惑わされない
応募者本人が書いたものではなく、担当者がリライトする、作り直した書類もあるんだそうです。
これは初耳でした。転職エージェントをつけて転職したこともあるのですが、そこまでしてもらったことはなかったので。
キャリア形成に一貫性はあるか
キャリア形成に一貫した考え方や論理性があるかという視点で、履歴書・経歴書がきれいとか汚いと表現することがあるそうです。
ただ、それだけでは判断せず、百貨店の営業から、長期で深いコミュニケーションを望んで住宅業界の営業に転身するといったキャリアの筋があるか見極めることが大事なようです。
面接直前の準備
- 応募者の名前を呼ぶ効果は大きい。当然、名前はインプットしておく
- 何を聞くかある程度決めておく
面接でみるべき3つのポイントと流れ「ざっと聞いて深く掘る、誘う」
- スキル・能力から見る即戦力性
- 価値観・志向性からみる自社適合度
- 過去の事実による裏付け
これらのバランスは求人ポジションによって違う。スキル・能力よりも価値観・志向性で退職することが多いようです。
過去の事実はスキル・能力、価値観・志向性から過去の事実から確認することです。
ラポールの確立
お互いに信頼できそうだ、話しやすそうだと感じられる状態を作ること。これをラポールの確立と呼びます。
本人に責任のないことは聞かない
厚生労働省は、面接において次のようなことは聞くべきではないとしています。
- 本人に責任のないこと
- 国籍、本拠地、出身地、家族の仕事、住居に関することなど
- 本人の自由であるべきこと(思想、信条につながるもの)
- 尊敬する人、愛読書、思想、宗教、支持政党、結婚、子育てなど
これについては、人事から指示が出されたことはあったのですが、本書によるとなんでかというと面接担当者が何も考えずに聞いたとしても、応募者に失礼だと持つ可能性があるためだそうです。
本人がなかなか話したがらないような個人情報を聞き出そうとしてトラブルになるのを、避けるために自己開示と呼び水です。
「自己開示はでは経験者が自分の周りの話や失敗談を楽しそうに話す。「呼び水」とは、直接何かを聞いたり、確認したりするのではなく、関係する話題を振ってみて反応を見るというものです。
STARフレームワークで行動について聞く
S(Situation:状況)、T(Task:課題)、A(Action:行動)、R( Result:結果)。これらの頭文字からSTARフレームワークと呼ぶ。
どんな状況があって、どんな課題があって、どんな行動をして、どんな結果になったかを聞くことです。
チームの業績なのか個人の業績なのか、繰り返し確認して個人がどういう働きをしたのかはっきりさせるようにすること。
そりゃそうだよなと思いますね。僕だったら考えられないのですが、人の手柄をあたかも自分の手柄のように話す人が世の中にいます。
面接で素晴らしい経験を披露してくれた方がいたのですが、実技をさせるとダメだった記憶があります。今振り返ってみると、それは本人がやったことではなくチームの他の誰かがやったことではないかと思ってしまいます。
ただ、この具体的行動事実を聞き出すのって難しいです。
実際の仕事で、こういうフレームワークで物事を考えて動いている人ってそんないないのではないでしょうか。
なんとなく状況はお客さんが言ってくるとか自分がこれ気になるから、これが課題っぽくて簡単に解決できそうな方法で対応した。みたいな。
大枠で状況を把握して、課題はこれで、こんな行動をしてみた、なんてのは自分としても最近になってからのような気がします。