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読書感想「パラノイアだけが生き残る」

パラノイアだけが生き残る

この本が伝えたいことは一つです。

戦略転換点をいかに見極めるか

タイトルのパラノイアは超心配性を意味し、その戦略転換点に気づけるか、を指しています。

インテルはかつてメモリー事業を柱としていましたが、日本の安くて高品質なメモリに押され、マイクロプロセッサへの転換を図ることになります。

これが戦略転換点です。

それは当事者にとっては苦しい時期となります。

こうしたことを行う上で、新しい経営者には思い入れやしがらみがないという利点があります。

確かに、今まで言っていたことと違うことを言わないとならないので、これまで在籍した人間にはなかなか骨の折れることでしょう。

グローブは独裁的かつ高圧的なイメージを私は抱いていたのですが、この転換について中間管理職の小さな決断の積み重ねがスムーズな転換につながったと述べています。

第一線で働くものには変化にいち早く気づくのです。

ただ、戦略転換点に気づいて、変化していけばいいんでしょうかというと、そうではありません。

戦略転換点だと思ったそれがノイズである可能性もあります。

グローブは自分が体験したRISCCISCの二つのアーキテクチャーについて述べています。

高性能でX10をもたらすが互換性のないアーキテクチャにすべきかという決断を求められますが、結果的にはそれを選ばないのが正解だったと。

というわけで、シグナルかノイズか見極める方法としては

  • 主要なライバル企業の入れ替わりがありそうか
  • 同じよううに、今まで大切な補完企業と見做してきた相手が入れ替わろうとしていないか、問うべき
  • 周囲に「ズレてきた」人はいないか