貴志祐介というと私の中では、黒い家やISOLAあたりでしょうか。
デビュー直後のインパクトが強いです。
ホラー要素が強く、とっつきやすい空気感ではないのに、一気に読ませてしまう。魔性ともいえる引力を持った特別な作家です。
そんな筆者による小説の書き方が、この本です。
ただの指南書に留まっていません。読んでいるだけで楽しめました。
この本自体がエンタテイメントでした。
筆者のリアリティあるフィクション
私が考える筆者の強みというのが、リアリティある感じるフィクションです。
クリムゾンの迷宮のような生き残りをかけたサバイバルゲームすら実在しないのに実在するかのように感じてしまい、先が気になり読み進めてしまい、本当にそんなことが現実にあるかとまで読後も信じてしまいます。
- アイデアはメモする
- もしAがBだったら?
- 例えば、ウイルスが人を苦しめるのではなく、人を喜ばせるものだったら?
- 舞台となる場所に行く
- 専門家の話を聞く
- それでも調べた情報は100のうち、10か20使えれば充分
- 実在する物の延長で架空の物を生み出す
- アマゾン川は存在するが、しかし、支流は架空の名前
- 実在するネズミから、バケネズミという架空の生き物を生み出した
- 社会人経験があった方がいい
- 筆者は生命保険の仕事をしていた
小説の書き方
- まずプロットを決める
- 冒頭、クライマックス、結末を決める
- 「天使の囀り」の時は120枚にもなった
- そこから読み返して瑕疵がないか調べる
- 主題にとらわれない。面白いかを軸に決める
- 推敲を重ねる
- 全部書いてからではなく章ごとに行う
- アマチュアほど自分の書いたものをなかなか消せないもの。引き算の美学
筆が進まない時は
やはり、プロでもあるようですね。
大雑把に問題がなんであるか考えることだそうです。
- 睡眠・空腹が問題であるなら、それを解決する
- 筆者の場合は、BGMが仕事モードに切り替えるスイッチになった
- 仮置きしても進める