この本は、神保町の書店で立ち読みして、図書館で借りた本です。
100人待ちくらいになってましたね。
買わなかったのは、まあすぐ買って読みたいかというと、いつか読めればいいかなーというくらいだったんです。
結果としては、それで正解でした
そんなことすると立ち読みした時の鮮度がなくなって、すぐ読んでおくべきケースもありますから。
この本、短編集なんですね。読んで気づきました。
主人公は一緒で、おそらく筆者に近い設定の人物といったところです、さすがにフィクションだと思うので、筆者そのものかというとそうでもないと思います。
筆者そのもので、筆者が経験した事実だったら、ここに書かれている内容は相当なのですが。
冒頭は読んだことあるのか、ないのか、作家を持ち出してきますが、読み飛ばしていいです。
もっと言うと、時間ない人は、本書のタイトルにもなった「君が手にするはずだった黄金について」から読んでもいいかもしれません。
まず、いいタイトルだと思います。
君って、誰なのか、ぼくは読む前から、自分(主人公)を指しているのかなと勝手に思ってました。
黄金って、大金なのか?と。
これ以上の感想はもうネタバレになってしまいます。
とある同級生は80億円を運用して、バフェットを超える利回りをする、キラキラインフルエンサーとなっていました。
他の同級生たちと話してみるも反応は冷ややかで、あいつに金を預けたいと思わない、と。割と流されないんですね。これが。物語的には。
しかし、有料会員で読める記事は他の記事をパクったものであること。
インスタグラムに上がっている高級時計や六本木での暮らしぶりも他の写真をパクったもの。
バフェットを超える利回りも80億円も嘘。お金を集めて、その一部を利回りとして渡すだけのポンジスキームだったと。
手にするはずだった黄金、それは本物であること。
受験にも就職にも失敗し、本物であるために、自分を虚飾するというなんともなジレンマ。
しかし、小説家の自身も行っていることも、人生を犠牲にして決して手にすることのない奇跡を追うことであることには変わりはないのだと。