主人公は、年を取れることは怖くない。年を取っても祖母のように美しくなれるのだからという椿。
そんな祖母と椿の話かと思ったのですが、そうでもありませんでした。
最後のセリフのやり取りは何を意味しているのか、理解できなかったのですが、ああ、そういうことね。と。
これは不純な女性の純愛物語なのだ、と。
椿はコンパニオンの仕事をしており、その気になれば、1日何人もの人とデートができるほどの女性なのですが、冴えない男が好み。
山本文緒さんの他の小説でも、そういう好みの女性が主人公だったことがあるのですが、これは筆者の好みなのでしょうか。
それともぼくのような冴えない男にも美人と巡り会えるチャンスもあるかもよってことでしょうか。
いや、ないですね。
男のぼくからしてもそうですし、同性からも好かれない主人公ですが、それでも読ませる描写は相変わらず見事です。