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読書感想「キーエンス解剖」

キーエンスに関する本はなかなか見つからないので貴重な一冊です。

彼らに言わせれば情報公開するメリットがないので、特にしない、といったところでしょうか。

キーエンスが他社より抜きん出た年収と成長を出している秘訣としては、

当たり前のことを当たり前になる

に、当たり前の設定を高く、徹底して、が補足されます。

まず、アポ。アポが5件以上ないと外出できないルールがあった時もあったそうです。

そして外報。商談から5分以内に書くという暗黙のルール。そうしないと、主観が強まったり、細かいことを書くのが億劫になってしまうからです。

営業をするに欠かせないロープレ。これも15分ほどの短時間で毎日行います。顧客役の営業も様々なシチュエーションを演じ分け、営業側もそれに合わせて行なっていきます。

KPI。商談件数、キーマンのフォロー率といった数十個ものKPIがあるそうです。事業部によっては1位から最下位までの順位を配信されていた時もあったそう。

電話の回数を明示されれば、負けず嫌いの多いキーエンスの社員は、我こそがと電話するのです。人によっては異常と感じるのではないでしょうか。やはり、仕組みも大事ですが、その仕組みを活用できる人材でないと成立しないよなあと思いますね。

徹底して顧客を把握する力。顧客のニーズを聞くというのは一般論で、顧客の人事異動も把握するほど。〜〜の製品は納品まで3、4ヶ月かかりますよといった電話。

商品企画する時もこの顧客を把握することがまず第一です。シェア30%を目指しますではなく、市場規模がこれくらいあって、これだけの顧客に聞いて、市場の顧客の20%が欲しいといっているから、これぐらいの売り上げになるといった企画が必要になるのだそうです。

自社の他製品の売り上げに影響する場合は、それを差し引いた上乗せ粗利で12ヶ月で黒字化できないと企画にオーケーが出ないそうです。

以前の職場で赤字を垂れ流しにしていたどんぶり勘定のビジネスも見てきましたが、それとは大違いですね。

大手が突っぱねても特注品、顧客のための製品は作らないのだそうです。付加価値の広がりに限界があるからです。

内部監査もかなり徹底しており、ETCの通過時刻から、報告通りの行動をしているかといったチェックもされているようです。

性善説でもなく性悪説でもなく、性弱説、人はラクしたがるという原理に基づいているようです。