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読書感想「武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50」

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

無教養な専門家こそ、文化の最大の敵

この本は、上司から勧められた本です。Kindle Unlimitedの無料読み放題対象なのですが、本をダウンロードしたところ、一度ダウンロードしたが放り出していたようです。

哲学・思想を学ぶメリット

  1. 状況を正確に洞察する
  2. 批判的思考のツボを学ぶ
  3. アジェンダを定める
  4. 二度と悲劇を起こさないために

とのことですが、この本は人の性が学べる本です。

論理だけでは人は動かない

本書では哲学入門書はいくつもあるが、これといった定番の本がない理由の一つとして、古代ギリシア哲学がつまらないから、かつ間違っている思想もあるからとされます。

といっても最初はこの古代ギリシアアリストテレスの思想から始まります。

理屈だけでは人は動かない。人は真に納得して動かないとならない。その上では、論理(ロゴス)だけではなく、倫理(倫理)と情熱(エトス)が必要なのです。

俺は正しいのに、どうして皆、わかってくれないんだ。ってなっちゃいますよね。

そういえば、この本を勧めた上司に理論上動かないって説明してもなかなか納得しなかったことを思い出しました。

ルサンチマン

ニーチェが提示した概念で、ルサンチマンとは、簡単に言えばやっかみです。こういう専門用語が多いのが困りものですね。

しかし、一般にやっかみとは思わないような感情や行動もルサンチマンに含まれます。

手の届かないブドウを酸っぱいに違いないと去っていくイソップ童話の話が紹介されますが、こういう感情って言われてみるとありましたね。

特に学生時代。あいつは勉強が俺よりできるけど、俺の方が足が速いとか。

フローに入る

高度な専門家たちが、仕事に対して最高潮にノっている時に、その状態を表現する手段としてしばしばフローという言葉を用いる。

チクセントミハイは、ここからフロー理論として仮説をまとめました。

ゾーンという状態でもあります。

フローの状態が幸福の条件。しかし、多くの人は、無気力のゾーンで生きているとされます。

挑戦レベルとスキルレベルが高い水準でバランスで保つ。

哲学だけではなく心理学も

この本の良いところは、哲学にこだわらず、心理学の興味深い話も扱っていることです。

  • ユダヤ人虐殺のトップ。悪とはシステムを無批判に受け入れる。
  • 共産主義の洗脳。共産主義は敵であるが良いところもある。共産主義の良いところを書かせて、菓子やタバコをあげる。人は行動に伴い、意識を変える
  • マキャベリズムも短くわかりやすく説明している。よりよい統治のためなら非道徳的なことも許される。
  • 報酬が内発的動機を低下させる。