世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
- 作者:山口 周
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
この本を読んで思うのが、タイトルの勝利ということです。
人は本の内容よりもタイトルで読み始めることが多いのではないでしょうか。自分はそうです。
人やメディアの紹介で読む方はそうではないかもしれませんが、気になったワードで検索された中で本を選んでいます。
この本は、タイトルのなぜエリートが美意識を鍛えるのかについて答えています。
ビジネスに活かせるアートの本を解説した本ではありません。鍛え方はこの本には書いてません。
経営者の直感
イギリスのロイヤルカレッジオブアートでは、グローバル企業の幹部トレーニングが行われているというのです。
経営の意思決定には「論理」と「直感」のどちらも必要。
ソニーのウォークマン開発やiMacの色数を増やしたことは直感。現状分析や承認プロセスなどを経た訳ではなく、トップの直感で決断されたこと。
現代になって情報は増えたものの、情報がないと決断できない、では情報があれば決断できるのか。集めたとしても時間がない。
経営はアート、クラフト、サイエンスの3つが混ざり合ったもの。
その中で、アートだけは説明できるものではなく、説明責任を求められると他では弱い。
経営者としてのビジョンにも必要であるし、モノが行き渡った中でファッションとしての価値が求められていくにつれ、美意識が求められるようになる。
成果主義に走って、倫理を失ってしまわないようにするためにも美意識が必要。いわゆる美学でしょうね。
VTS(Visual Thinking Strategy)
作品に対する情報提供は行われず、絵を見せて以下の質問をして発言を促していく。
- 何が描かれていますか
- 絵の中で何が起きていて、これから何が起きるのでしょうか
- どんな感情や感覚が、自分の中に生まれていますか