クリテスティーズという世界的なオークション会社で働いている方の本だけあって、知らない世界が紹介されています。
どうしても億という値段のため、アートというのは別世界に感じてしまうのですが、もっと日常的なものなのだと。
そう感じさせられたのは、とあるイタリアの工場員が、たまたまいい絵を3000円買って、台所に30年も飾っていたという話。
実は、この絵、ゴーギャンの本物の絵で、盗難品が流れてきたものだったそうです。
海外では盗難品は持ち物に返すという法律だったため、お金として得をしたわけではありませんが、アートの本来の姿を感じさせるエピソードでした。
どうしても資本主義の世の中であり、投資の対象になったり、いくらであったかに目がいってしまいがちですが、飾って、眺める、これこそがアートの本来の姿なんでしょう。