レースをまとめて分析していましたが、これだというレースをピックアップして分析してみたいと思います。
やはり2018年アルゼンチンGPかなと。
ミラーにハンデを付ける形での異例のスタートだけではなく、いざ開始となるとマルケスはスタートでエンストして、バイクを慌てて後退させてからエンジンを掛け直すという波乱のスタート。
波乱はそれだけではありませんでした。
ここからペナルティが課され、そこから這い上がって、他のライダーに激突するも5位で完走。しかし、その追突でペナルティというレース。
ペナルティがなかったら?
そんなIFがあってデータの分析しがいのあるレースです。
このレースの順位は
- クラッチロー
- ザルコ
- リンス
でした。
マルケスは5位でレースを終了しています。(その後ペナルティにより順位ダウン)
今回はペナルティがなかったら、マルケスはどれくらいの走りになっていたか?を分析してみたいと思います。
レースのタイムをいかにグラフ可視化していくか
ざっとグラフにしてみます。
マルケスはスタート時にエンストして、慌ててバイクを一旦下げてエンジンを掛け直した行為を逆走とみなされました。
このペナルティにより、指定区間の制限速度で走ることになったため、その時と思われる7周目のタイムが突出してますね。
逆を言うと、この時のタイムで他のタイムがさっぱりわからなくなってしまってます。
2分台のタイムの時がグラフ外に出てしまうのは承知で、それ以外が当てはまるようにY軸の範囲を指定します。
それを抜きにしても、上位3人は団子状態で、これに対して激しいタイム変動を繰り返しているマルケス。
それでも上位3人よりいいタイムを出しているラップ数も少なくないです。
こういう形でラップごとのタイムを分析するのは初めてなのですが、ガソリンが減ってマシンが軽くなるので全体的に早くなるという定説が当てはまりそうです。
タイヤが消耗して、もうプッシュできなかったなんて1位を逃したライダー達は語りますが、そうでもないのかなと。とはいえ、このレースしか分析していないので結論には時期尚早ですが。
積み上げ表示
cumsum関数を使って積み上げを算出して、グラフ可視化すると順位とか見えやすいかなと
ダメですね。この見せ方では全然わかりませんね。
トップタイムとの差で表示
なので、マルケス、リンス、クラッチロー、ザルコの4人の中で周ごとに一番(累積)タイムが速い選手に比べて自分のタイムがどれくらい遅れているかという値で表示してみます。
こうして見ると5位で終わったマルケスですが上位3人と比べると大きな開きがあり、普通に走っても流石に巻き返せなかったんじゃない?という気もします。
それを予測する前にもう少しデータを眺めてみます。
マルケス以外の選手でBoxZoomしてみると0.5秒以内の熾烈な争いをしているのがよくわかります。
リンスは17周目で1秒近い差が開いてしまい、なんとか巻き返そうと縮めた瞬間もありますが、それは叶わず、ザルコとクラッチローのトップ争いには入れなかったようです。
この可視化ならば、順位の変動やタイムを把握するのが良さそうなので、引き続き、この手法で分析したいと思います。
マルケスにペナルティがなかったら
もし、マルケスがペナルティがなかったら?という仮説を分析したいと思います。
6周目が低すぎるのと7周目が高すぎるのでこの6,7周目のタイムを5周目と8周目の平均値としてみます。
なんという一方的な展開なのでしょう。
ペナルティがなければ、マルケスが独走するだけではなく、後続を突き放す走りだったようです。
セクションごとの分析
タイムとしてはコースをT1,T2,T3,T4という4つのセクションに分けても計測されています。
マルケスの6,7周目を除いて、上位3選手と比較してみます。
セクションごとの各選手の平均タイムを表にします。
表にしてもさっぱりわかりませんね。コンマ1秒の戦いですので。
折れ線にしてもわかりづらいですが、どのセクションを取ってもマルケスが他の選手よりは速かったことがわかります。
マルケスとの上位3選手の平均タイムの差を抽出してグラフにしてみました。
T1(グラフではX=0)で差が空けられていることがわかります。
急なカーブが連続するセクションですが、同様に見えるT3セクションについては逆にあまり差がつけられてません。
まだまだわからない要因がありそうですね。
2019もマルケスか? マルケスは無敵か?
今年もマルケスは強いでしょう。
が、マルケスの懸念については転倒の数でしょう。2018年も転倒王。
フリーでは転倒するのに対して、本選では不思議なほどに転倒しません。
限界を確かめるためがゆえの転倒とも思えるのですが、それでも怪我のリスクはあります。