いきなりですが、本書では「塞翁が馬」の故事を出しながら、幸運か不運かは最後までわからないと締めくくっています。
冒頭ではボートでハリケーンに見舞われ、九死に一生を得たエピソードが紹介されます。生き延びた彼女たちは幸運だと捉えています。
いやいや、その年は例年以上にハリケーンが多く、そうした事態に見舞われたこと自体が不運ではないか、と。
つまり、運というのは人間の認識が入っているものなのです。
運を味方につける方法、運というものは人間の認識が入ってしまうものというのが本書から学んだことです。
自分が幸運だと考えれば人のパフォーマンスは上がります。お守りや儀式も人間の認識により効果は発揮します。信じるものは救われる、です。
逆に人は偶然を運に結びつけたがるので不吉なことと悲劇を関連づけて認識しようともします。
後半は運を認識する脳のメカニズムですが、そうした話に興味がなければ読み飛ばしてもいいでしょう。