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読書感想「紅茶スパイ―英国人プラントハンター中国をゆく」

18世紀から19世紀にかけて、危険な奥地や前人未到の土地を探検して、植物を集めて持ち帰る。

それがプラントハンターです。

漫画「HUNTER HUNTER」で様々なハンターが登場しますが、そんなハンター本当にいたんだ、と。

本書では中国の茶をヨーロッパに持ち帰るべく、潜入する英国人フォーチュンについて描かれた本です。

東インド会社は競合によって既存ビジネスが苦しくなった今、茶という中国から買うしかない英国人に欠かせない植物の秘密を手にすべくフォーチュンを派遣します。

アヘン戦争不平等条約を押し付けられた中国。

当時は英国人が中国を自由に旅することは許されていませんでした。

フォーチュンは辮髪にして中国人になりすまし、2人の使用人を雇って緑茶の産地を目指していきます。

これはファンタジーではないので、現実は厳しく、1人の使用人は小銭を稼ごうとし、1人の使用人はフォーチュンと言葉が通じず、となかなか苦労させられます。

よって、紅茶の産地を目指す際には、別の使用人を雇うのですが、これがまた手を焼かされ、中国の情勢の不安定なか命の危険を脅かされながらも武夷山脈の美しさにも魅せられつつ、産地にたどり着きます。

ただ、産地にたどり着くだけがプラントハンターの仕事ではありません。植物を持ち帰り、その育て方の秘密や茶の製法を知り、植物を育て、無事、インドに送り届ける。

これを異国の地で1人でやらなければならないのです。

偉業ですね。