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読書感想「ぼくらの未来をつくる仕事」

ぼくらの未来をつくる仕事

脳外科医からアメリカ留学、医師ながらマッキンゼー、メドレーの取締役という経歴を持つ筆者による医療業界の変革を促す本です。

この筆者、不倫問題を起こしているのですが、それはさておき、医療の見方が変わる本でしたね。

まず、筆者のスタンスとして以下の三つの円が重なるところで勝負することです。

  • 自分がやりたいこと
  • 自分がやるべきこと
  • 自分にしかやれないこと

そして、医師なのに、なぜマッキンゼーコンサルタントになったのか。それは今の日本の医療には課題があると気づいたことが根底にあります。

医師とコンサルタントの対比が面白く、また、マッキンゼーコンサルタントとしての考え方も面白いなと感じました。

「やったほうがいいかもしれないけれど、やらなくてもいいかもしれない」

こういう時、医師はやった方がいいかもしれないならやる。検査して、異常が見つかるかもしれない。

ただ、コンサルタントはやらなくてもいいかもしれないなら、やらないです。限られたリソースで結果を出すなら、曖昧なタスクはやらないのです。

マッキンゼーには「Strong First」という文化があります。プロジェクトの初日には、チーム内での自己紹介のためのミーティングをしますが、そこでは自分の強みはなんだということを話す。これがStrong Firstです。

1on1でもこの自分の成果や強みをきちんと言葉として伝えます。

これが成長にとって効果的なのです。そしてさらなる成長のためにするべきことを突きつけられます。

そして、「How can I help you ? (手助けになることができないか)」を聞かれます。

人の成長のために自分がどう役立てるかでも評価がされ、相手からもこの人とまた一緒に働きたいと思ってもらえるようになり、結果的に優秀なメンバーが集まるチームが作れるという構造にもなっています。

また、マッキンゼーにはポジションを取るという考え方があり、知らないことでもどんな時も「つまりはこういうことだ」「僕は現時点ではこれがよいと思う」という意見を持ち、表現すること。

医療へ

マッキンゼーでは医療費を本気で下げるには民間では日本には存在しない。マッキンゼーからすれば医療費をどんどん使ってもらった方が企業が儲かるという力が働いてしまう。

そうしたこともあり、知り合いが社長をやっているメドレーから共同経営者にならないかと話を持ちかけられメドレーへに参画します。

そこでまず取り掛かったのが医療リテラシーを上げること。

Wikipediaでは重要な10個の疾患のうち、9つの疾患の情報に専門家が見ると誤った情報が含まれた研究論文が発表されています。

そこからオンライン医療事典MEDLEYを立ち上げます。医師が作る辞書。(この本には書いてませんが。別口で聞いた話では、まあ、残念ながら、この事典、あまり成長しなかったんですが)