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読書感想「フレンチの王道」

フレンチの王道 シェ・イノの流儀 (文春新書)

創造のない伝統に進歩はない。伝統のない創造に持続力はない

そう語る、フランスの伝統を守りつつ、弛まなき努力を続け、50年に渡り、日本のフランス料理界を牽引していた井上旭(いのうえ・のぼる)についての本です。

若手の料理人について、料理の星という点を探せと言っています。

井上氏について、その目指す点は、ジャン・トロワグロ。その人です。

ジャンのルセット、レシピだけでは、その味は再現できない、一挙手一投足を盗もうとしていたそうです。

スーシエの真髄についても語っています。

ベースとなる10種類のソースを用意しておき、客の好みや状況、食べているものに合わせて、塩を振ったり、酒を合わせたりして調整する。

醤油は客に合わせて変えたりしないが、ソースは客に合わせて変えられる点が魅力とも語っています。

スーシエは、オーケストラのソリスト。と称しています。

イタリア料理とフランス料理の違いすらあまり理解されていない当時の日本においては、修行に行くにも大変だったそうです。

いきなりフランスに行けるわけでもなく、スイスを経由して、フランスへ行くレベル。

フランスで修行をしても、日本に戻ってきたら、フランスと同じ食材には苦労させられることになります。

客はフランス料理、オシャンティーと騒いでいればいいのでしょうが、料理人の苦労は半端ないことがよくわかりました。