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読書感想「酒が語るアメリカ裏面史」

酒が語るアメリカ裏面史

酒と歴史という観点での話を期待していたのですが、面白かったです。

ヨーロッパでは井戸水を飲むのは伝染病の恐れがあり、健康のために酒を飲んだそうです。大人のみならず、幼子までです。

というわけで、必要だから酒を飲んでいる、ただ酒を飲み過ぎると身を滅ぼす、そういった酒は必要か、必要ではないか、という酒の扱いの悩ましさを感じました。

厳しい労働を耐えるのに欠かせなかったラム酒

酒に慣れておらず酒に溺れて本来のレートの10倍の取引をしてしまうネイティブアメリカンの部族。

何も持たずアメリカに渡って来た移民にとって唯一安らげる酒場。

その中で、最も大きな動きが禁酒法でしょう。

酒によって生じる家庭のトラブルなどをみるにつけ女性運動家を中心に禁酒を訴えて禁酒法が実現されたものの、結局は密輸ともぐり酒場が横行してしまったのです。

密輸を取り仕切るギャングのボスはメディアに重宝されるという。その代表的な存在が、アル・カポネです。

結局は、禁酒法は撤廃されることになります。

第二次大戦後になってラム酒の人気が再燃します。

そもそもラム酒はサトウキビから砂糖を取る際に出来る廃蜜をベースとした産業廃棄物(動物の遺体なども使って発酵を刺激したらしい)から生まれたものですが、かつての悪いイメージを払拭して味を求めて作られたラム酒です。

これが、バーテンダーのカクテルのベースとして愛されるようになりました。

ヨーロッパで、ビール、ワイン、ウイスキーと生まれていたので、このラム酒の顛末は不思議に感じましたね。