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読書感想「ザ・会社改造」

筆者である三枝匡の本は「経営パワーの危機」を読んだことをきっかけに読むようになりました。

本書も実際の経験を元に描かれた内容で、そこらのフィクションでは太刀打ちできないような経営が描かれた著書となっています。

ミスミの社長として行ってきた改革を書いた本です。

ミスミというのは部品のカタログを売るビジネス。

金型設計者が設計を描かなくてもミクロン単位の寸法が違う部品のカタログの中から必要な部品を選び出し、発注すれば欲しい物が手に入る。

本書でも説明されているのですが、ECサイトを見た方がわかりやすいです。

MISUMI-VONA | ミスミの総合Webカタログ

ミスミ自体は生産設備を持っておらず、部品メーカーと協力してビジネスを展開しています。

筆者は社長に就任して、シナジーの弱い多角化事業を離れて、海外事業に力を入れるという改革をしていきます。

本書の中で、驚きの決断というのが2つ。

中国への事業展開に合わせて部品メーカーを中国に進出させた

海外事業に力を入れる。中国へ事業展開するということは、経営者でなくても考えるようなことでしょう。

それを上手く行かせるHowを考えることも重要です。

部品メーカーも一緒に中国に進出させるというのは驚きのアイデアでした。

中国のメーカーに作らせてしまえば技術を与えてしまい、それから手を切られればミスミのメリットは失われる。

そこで考えたのが、日本で一緒に協業している部品メーカーを支援して中国に進出するという手法。

部品メーカーの買収

ミスミ自体は生産設備を持たない。生産設備を持たないのに、部品メーカーに生産指導は難しい。

そこで駿河精機を傘下に入れ、ミスミグループとした。

「V字回復の経営」でも筆者が謳っていた「創る、作る、売る」の作るの部分が弱いという判断を下したのです。

今まで、生産設備を持たないという固定観念に捉われない決断です。