記事の中で、下記の一文は驚きです。
ネットフリックスの会長兼CEOリード・ヘイスティングスはかつて、可能な限り判断を行わないよう心がけていると誇らしげに語った。「四半期に一度も判断を行わなかったこともある」と自慢すらしていた。
アメリカではリーダーは決断するものだ、日本は会議ばっかりで決断せずに何も進まない・・・。
なんて、話がよく挙がる中で、ネットフリックスという勢いのある企業のCEOがこんな発言をするのも意外です。
ある意味、理想のマネジメントではあるでしょう。自分が判断しなくても、メンバーが自主性を持って行動してくれる。
上手く行っていないからこそ、リーダーが判断し、決断を下して、正しい方向に導かなければならないといえます。
NETFLIXの最強人事戦略
NETFLIXの最強人事戦略 パティ・マッコード、櫻井祐子/訳 | ノンフィクション、学芸 | 光文社
この本を読んでネットフリックスについての一部を知っていたので、なおさら意外です。
ストリーミング配信で知られるネットフリックスですが、DVDレンタルを延滞料金で儲けるビジネスモデルではなく、月定額で稼ぐというビジネスモデルで創業されています。
そこからストリーミング配信に方向転換し、クラウドに精通した人材を採用していきます。
本の中では、「積極的に解雇する」という方針が登場します。
会社が成長していくために、それに合わない人間を解雇して、最適な人を採用していくのです。
人が変われば会社が変わるのはそうなのですが、それをもっとも効果であるがもっともドライな方法で行っていく。
そうした変化の激しい会社のトップが判断しない四半期もあったというのは秘訣があるのでしょうか。
ネットフリックスのカルチャー
いくつかありますが、その中で一番強いなと感じるのが「自由と責任」です。
「NETFLIXの最強人事戦略」でも経費精算の申請/承認が時間の浪費であると考え、経費については必要な分だけ使ってください、問題があれば弁護士に相談しますと伝えるシーンが登場します。
これは、大人の組織だなあと感じます。
リード・ヘイスティングのスライドでは、他の企業では〜だが、当社は違って〜といった切り出して紹介しています。
なかなかのボリュームのスライドでヘイスティングの中での経営哲学が既に確立されていることがわかります。
自由についての記述がそうです。企業が成長し、複雑になってくるにつれて、雇用者の自由が失われていく。
自由は完全ではない。取り返しのつかない失敗を防ぎ、モラルや倫理、法意識が欠かせない。
「Context Not Control」では、
あなたが船を建造したいのであれば、木を伐採して、作業を分担し、命令を与えて鼓舞するのではない。広大で果てない海への憧れを伝えるのだ
という星の王子様からの引用を登場させています。
リード・ヘイスティングの経歴としてアフリカで教師をしていたことがあるというのですが、なんかそんな感じだなーと思います。
といってもContextとは目的や推察、戦略なども含まれます。
使用技術
ネットフリックスについて技術的に有名なのがChaos Monkeyかと思います。
ストリーミング配信は魅力的ですが、常時映像を送信し続けるので、インフラへの負担は半端ないです。
そういった中で生まれた技術でしょう。
言語などについてはあまり聞かれませんが、Netflix Technology Stack Revealedによると
- フロントエンドはReact,RxJS
- バックエンドはJava,Python,Node.js
- データベースはMySQL,Oracle,PostgreSQL,Cassandra,Amazon RDS,Amazon DynamoDBなど様々
- クラウドはAWS
HuluかNetflixか
実は、私はHulu派だったりします。
理由はビデオオンデマンドを始めるのに、安い方で始めてみようと思っただけです。